木のまちづくりから未来のヒントを見つけるマガジン キノマチウェブ

2025.07.17
国産材を積極的に使った証「Japan Wood Label」「Wood Carbon Label」って知ってる?

Japan Wood Label(JWL)は「日本の木を使っている建築物・内装・製品」を示すラベルで、対を成すWood Carbon Label(WCL)は「そこでどれだけ炭素を貯めているか」を見える化するラベルです。

木材の活用をアピールできる認証ラベル

これらのラベルは、林野庁が基本規定を制定したものを一般社団法人日本ウッドデザイン協会(JWDA)が運用し、官民が一体となって国産材をはじめとした木材利用を後押ししています。

Japan Wood Labelは、国産材を使った製品や内装、建築物などで「日本の木を使ってます」ということをPRし、国産材利用を後押しすることが目的です。

一方、Wood Carbon Labelは、木材利用による炭素貯蔵量などを公開することで木材利用の環境価値を見える化します。また、このラベルを使用するにはJWDAへの申請と承認が必要です。

環境問題の解決につながる国産材利用へ

キノマチウェブでもたくさん事例をご紹介してきましたが、改めて、適切に管理され、健全性が保たれた森林からの国産材を積極的に使うことで、環境・社会課題の解決につながっていきます。

二酸化炭素の吸収能力を維持できるほか、木材が炭素を長期間貯めることで温室効果ガスの削減にも役立ちます。

今後は、そのような取り組みに積極的であることを、このラベルが示してくれるのです。

建設業界での活用事例

建設業界では、竹中工務店が建設会社として初めてJapan Wood LabelとWood Carbon Labelの使用承認を取得しました。

対象となったのは「FLATS WOODS 木場」で、国内最高層クラスの木造建築として注目されています。

地上12階建て・総戸数252戸の大規模な社員寮として2020年に竣工し、CLT(直交集成板)や燃エンウッドなど次世代の木造建築技術を採用。

使用された木材は、長野県・北海道産カラマツ、高知県・岡山県産スギ、愛媛県産ヒノキ、秋田県産スギ、鹿児島県産スギなど、多様な樹種が適材適所に活用されていて、使用木材量は141.6立方メートル(うち国産木材は105.9立方メートル)、CO2換算で96トンもの炭素が固定されています。

木の温もりを感じられる都市型木造建築を実現し、2020年にはウッドデザイン賞の優秀賞(林野庁長官賞)やグッドデザイン賞も受賞し、都市部における中高層木造建築の新たなモデルケースとして高く評価されています。

これらラベル制度の認知度拡大で期待されることは、消費者や事業者が木材利用の価値を正しく理解し、消費者や事業者が国産材利用やその利用量について認知し、持続可能な社会づくりに貢献する製品や建築物を選べる環境が整うこと。

そして、国産材利用の「見える化」によって、日本の森林資源の有効活用がさらに促進されること。この二つのラベル、「Japan Wood Label」「Wood Carbon Label」の名称とロゴマークに今後も注目していきましょう。

Text:キノマチウェブ編集部

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