7月26日(土)に兵庫県川西市のアステ川西で開催される「川西市環境フェスタ」。25の自然活動団体や企業が参加するこのイベントで、特に楽しみなのが、竹中工務店による「森の専門家たちと学ぶバードコールづくりと身近な森に暮らす鳥の世界」です。
清和台の森の間伐材が生まれ変わる意義

参加者が手にするのは、竹中工務店のフィールド「清和台の森」で生まれた間伐材や工場の端材。本来であれば廃棄される運命だった木材が、森の専門家と製材職人のガイドのもと、世界にひとつだけの、じぶんだけのバードコールへと生まれ変わります。

清和台の森は、川西市にある竹中研修所内に位置し、2017年から「里山放置林」を生物多様性に富んだ「里山林」へと再転換する取り組みを続けています。
人との関わりが薄れ常緑樹が繁茂していた森を、落葉樹を中心とした明るい森へ。この活動は2024年に環境省の「自然共生サイト」にも認定され、生物多様性保全・回復のモデルケースとして注目を集めています。

「バードコールづくりを通じ、清和台の森や川西市の里山にいる鳥たちのことに気づき、川西市の自然について思いを馳せることができる機会をつくりたいと考えています。鳥類は、自然の状態を測る指標として有用で、当社の研究員が技術開発を進めており、その取り組みの一端についても紹介します」(イベント主催:竹中工務店 向山さん)
音・味・香り・手触り ――五感で感じる森のつながり
バードコール作りだけでなく、このイベントは五感すべてで川西市の身近な自然を感じられるよう設計されています。
作ったバードコールが本当に鳥を呼べるのか、映像コーナーで実際の鳥の鳴き声と聞き比べることができます。また、清和台の森で摘んだ野草を使ったハーブティーの試飲も用意され、利き茶体験を通して森に息づく植物たちへの理解を深められます。
この体験型のアプローチは、竹中工務店が清和台の森で実践している「自然の力に気づき学び合う体験型研修」の考えかたを反映したもの。企業の枠を超えて、地域の人々に森と暮らしのつながりを実感してもらうことを目指しています。
世代を超えて広がる環境意識の輪
川西市環境フェスタは、年少から小学生向けの内容が中心ですが、今回の取り組みは自然に心を寄せる幅広い世代におすすめです。森林や生物多様性に触れ、地域全体の環境意識向上につながることが期待されます。
環境問題について、近年、脱炭素の取り組みが注目を集めていますが、生態系の再構築、コミュニティの再生、そして地方の再活性化など。これらすべてが連動した持続可能な地域づくりが重要であると、日頃からキノマチでもお伝えしています。
川西市から生まれる木材のアップサイクルという身近な行為を通じて、参加者は自分たちの暮らしと森のつながり、そして未来世代への責任について考える機会を得られるのではないでしょうか。
また、自然との関わりは、一回限りの体験で終わるものではありません。竹中工務店では、清和台の森での活動を通じて、地域との連携も重視しています。参加者がこの体験をきっかけに、継続的な環境活動や森づくりに関心を持つ人々が増えることを目指しています。

川西市中央図書館では、7月25日から30日まで環境フェスタ関連の特設コーナーも設置され、当日参加できなかった方々にも情報を届ける工夫も。
身近な森の恵みを五感で体験し、持続可能な未来について考える貴重な機会。家族みんなで参加して、自然や森林との新しいつながりを発見してみませんか。

イベント詳細
開催日時: 2025年7月26日(土)13:00〜16:00
会場: アステ川西 6階 アステホール
参加費: 無料(入退場自由)
主催: 川西市環境政策課
問い合わせ: 072-740-1202
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*公共交通機関でのご来場をお願いします