竹中工務店が7月26日から8月3日まで2025年大阪・関西万博で展示を開催中。
展示会場は映画作家の河瀨直美氏がプロデューサーを務めるシグネチャーパビリオン「Dialogue Theater-いのちのあかし-」内の「森の集会所」です。
このパビリオンは、廃校となった奈良県十津川村立折立中学校(1952年築)と京都府福知山市立細見小学校中出分校(1930年築)の2つの木造校舎を移築して建設されました。

パビリオンの3棟ある建物のうちのひとつ「森の集会所」は、折立中学校の北棟を活用したガラス張りの美しい空間で、来場者が対話の余韻を感じながら思い思いに過ごせる場所として設計されています。
シンボルツリーのイチョウの木や校舎の壁に茂っていたツタも、建物とともに移植されており、廃校の記憶を大切に継承した特別な空間となっています。そんな特別な場所で、竹中工務店が400年以上にわたって培ってきた木造建築文化を紹介しています。
このパビリオンは「対話」を通じて、世界の至るところにある「分断」を明らかにし、解決を試みる実験場であることがコンセプト。互いを理解することでよりよい未来を一緒に生み出すことを目指した場で、木がテーマの展示が見られるのはキノマチ的にもムネアツです。
4つのテーマで描く日本の木造建築史

展示の第1部では、織田家の普請奉行を務めた竹中藤兵衛正高から始まる同社の歴史を紹介。堂宮大工として名古屋を中心に社寺仏閣の造営に携わってきた棟梁精神を、三重県に現存する正福寺の実物大木組み模型から体感できます。
やさしい緑色のTシャツを着ている人は木造建築を解説してくれるボランティアスタッフさん。「竹中工務店の社員にとって、ご先祖さまからのメッセージのようなものづくりです」と案内してくれました。

展示の第2部は「竹中大工道具館」の展示。匠の技と心を伝える貴重な大工の技を紹介。日本人ならではの美意識や心遣いが込められた継手仕口のしくみを体験するゾーン。
実際に触れて体感することで「大工の技術や木の可能性を感じられる」と世界中のひとに大人気でした。

第3部は、かつて竹中工務店に在籍した建築家・藤井厚二が1928年に建てた自邸「聴竹居」について。欧米の生活様式と日本の気候風土を融合させたこの住宅は、2017年に重要文化財に指定された木造モダニズム建築の傑作として知られています。

そして、第4部は、現在から未来の木造建築の話へ。現代の都市木造建築への取り組みを紹介。耐火木造技術の模型や、高層木造建築のコンセプトモデル「Alta Ligna Tower(アルタ・リグナ・タワー)」などの実現例を通じて、現代木造建築技術に触れることができます。

日本の木造建築文化の奥深さを実際に体験することができ、建築ファンはもちろん、日本の伝統文化に興味のあるかたにとって見逃せないイベントとなっていました。
予約不要で誰でも訪れることのできる癒しの空間。クーラーも効いてとっても涼しく快適です。8月3日まで開催していますので、大阪・関西万博を訪れる際はぜひ足を運んでみてください。

「木の国-日本」木造建築文化を大切にする竹中工務店
会期:2025年7月26日(土)~8月3日(日)
会場:シグネチャーパビリオン Dialogue Theater-いのちのあかし-「森の集会所」
開場時間:9:00〜21:00
竹中工務店プレスリリース:https://www.takenaka.co.jp/news/2025/07/02/
パビリオン公式HP:https://expo2025-inochinoakashi.com/
主催・企画:
株式会社竹中工務店
公益財団法人竹中大工道具館
一般社団法人聴竹居倶楽部
Dialogue Theater-いのちのあかし―(配置図)

森の集会所(配置図)
