まちと森がいかしあう関係の起点となる『キノマチ』からは、人や建物、社会、そして地球にとっての“いいこと”がたくさん生まれます。 竹中工務店がこれまでに『キノマチ』をつくりながら見つけたいいことを10個にまとめてご紹介します。
『キノマチ』は自然災害や地球温暖化の抑止、生物多様性の保全など、今、地球が抱えている課題を解決する糸口となり、持続可能な社会づくりに貢献します。
SDGsへの貢献で実現する持続可能な社会
『キノマチ』の取り組みは、国連で採択された持続可能な開発目標・SDGs(*1)の達成にも大きく貢献することができます。都市での木材利用が進み、森が守られることによって、海や陸の豊かさを守り、気候変動の対策となります。
また、森での新しい産業創出によって、クリーンなエネルギーづくり、産業と技術革新の基盤構築にもつながるなど、SDGsにおける17の目標の多くに貢献できると言えます。特に、豊かな森は生物多様性の保全や土砂災害の防止につながり、人間も含めた動植物の生存環境の維持に大きく貢献するため、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」において、中心的な役割を担っています。
*1
2030 年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。「産業と技術革新の基盤をつくろう」「気候変動に具体的な対策を」などの17のゴール・169のターゲットから構成されている。
二酸化炭素を吸収し地球温暖化を抑える
2015年に国連の会議「COP21」で「パリ協定」が採択され、二酸化炭素の削減が人類全体の目標となりました。日本の一般家庭における二酸化炭素の年間排出量は2017年においては約4.5トン(* 2)で、これを1年間で吸収するには36~40年生のスギが約509本必要と試算(*3)されています。
樹木は光合成を行い、空気中の二酸化炭素を吸収し、木材の中に炭素として固定し続ける性質があります。つまり、木材をたくさん、長期間利用すれば、それだけ大気中の炭素を増やさずに済むのです。例えば、大規模木造建築は炭素を長い期間、大量に固定することができます。木材をたくさん使う『キノマチ』の実現は、私たちが地球温暖化の対策に責任を持つことにつながります。
木の炭素固定と放出のサイクル
*2
温室効果ガスインベントリオフィス「日本の1990-2017年度の温室効果ガス排出量データ」(2019.4.16発表)