木のまちづくりから未来のヒントを見つけるマガジン キノマチウェブ

まちと森がいかしあう関係の起点となる『キノマチ』からは、人や建物、社会、そして地球にとっての“いいこと”がたくさん生まれます。 竹中工務店がこれまでに『キノマチ』をつくりながら見つけたいいことを10個にまとめてご紹介します。

世界に誇る木造建築が数多く残る日本。その背景にある大工の技術と知恵を現代でも活かし、後世に残していく取り組みが求められています。

大工の技術を後世に伝える

世界有数の木造建築を数多く残す日本において、それらを造り上げてきた大工の技や知恵、精神は遺産と言えます。

大工の精神のひとつ、適材適所。それは材の特性を見極め、その能力を活かすというものです。木が育った地勢や風向き、木目や曲がりによって異なる材の個性と向き合い最適な活用を熟考することで、建 物の品質を極限まで高めようという職人の姿勢です。そうした精神を受け継いだ大工が存分に力を発揮できる機会として木造建築をつくることは、彼らの技術や知恵を後世に遺していくことにつながります。

大工技術と現代テクノロジーの融合

『竹中大工道具館』(2014年竣工/兵庫県)は、大工・左官等の伝統的職人技術に加え、現代技術を空間の随所に編み込み、人と自然をつなぎ伝統と革新をつなぐものづくりの精神の結晶となる建築を目指しました。大工道具 3 万点を収蔵し、大工にまつわる展示も行っています。

1階の天井は、船底のようにやわらかな曲線を描いた意匠性の高いものです。存在感を消した鉄骨材で内部に柱のない大空間を実現しながら、天然の無垢材を木組みの技で仕上げるなど、 現代の建築技術と伝統の職人技を融合させています。現代においてもデジタルファブリケーションの技術はより進化しており、大工の技術と融合する事例が次々と生まれています。

大工技術と現代のテクノロジーが生み出した船底天井

道具を操る大工の「手仕事」は、棟梁が身につける 5つの技術のうちのひとつ
大工道具自体も後世に伝えていくべき資産として収蔵・展示しています

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