メンテナンス とは
「維持」や「持続」、「保守」、「保全」などの意味をもつ語で、特に建物や機械について、不具合や故障が生じることなく、正常な状態が維持されるように点検したり手入れをしたりすることです。
人々が生活の上で使用しているものは、どんなものでも、時間とともに劣化、老朽化し、やがて使用に耐えられなくなります。木材においても、腐朽、シロアリなどによる生物劣化や雨水、太陽光などの自然条件による経年劣化が進むと、強度低下や破損、変色や変質などの問題が発生し、本来の使用目的に耐えられなくなります。
日本は高温多湿なため、木造建造物は常に腐朽、蟻害、雨風などによる劣化の危険にさらされています。しかし、適切な管理と修理(=メンテナンス)を行えば、著しい劣化もなく長期にわたって使用することができます。これは、現存する世界最古の木造建築物である法隆寺の五重塔、金堂、中門、回廊が証明しています。
木材は金属やコンクリートなどのように目的に応じて人工的に設計された素材ではありません。ですから、木造建築では設計・施工時にあらかじめ劣化対策を取ることが基本です。大阪木材仲買会館では、軒庇を兼ねたバルコニーを配置することで、風雨から木製サッシ等の木製外装を保護するとともに、再塗装、清掃等のメンテナンス時の足場として活用する計画としています。
出典:実用日本語表現辞典
Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部