川上・川中・川下(かわかみ・かわなか・かわしも)とは
商品の流通経路(サプライチェーン)を川の流れにたとえたもので、川上が原料、川中が製品、川下が販売を指しています。木の流通においては、川上にある山で木を伐り、川中の山裾で製材して、川下にあるまちで木材を販売するイメージです。
それぞれのステージには、主体となるプレイヤーが存在します。
川上:森林所有者や、素材生産(丸太生産)、造林・保育といった林業経営者などの原料供給者。
川中:原木市場などの丸太の流通に関わる業者や、製材、単板・合板、チップ等の加工業者、製品市場・木材問屋等の木材製品の流通・販売に関わる業者、製材品等にプレカット加工を施すプレカット事業者などの製品製作者。
川下:建設会社・工務店・住宅メーカー、家具製造業者、バイオマス事業者などの需要者および最終製品の提供者等。
また、丸太から製品まで幅広い木材取引に関与する商社や、森林所有者でもある製材工場や工務店・住宅メーカーなど、川上から川下にいたる複数の立場を所有している者も存在します。
木材関連産業は、木材の伐採、運搬、木材加工にとどまらず、住宅建築や家具の製造や販売など、裾野の広い産業です。川上から川下に至る多様な主体の連携を図っていくことで、キノマチが身近にたくさん、広がっていくと思うのです。
参考文献:林野庁 森林・林業白書
Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部