含水率(がんすいりつ)とは
物質に含まれる水分の割合を示したものです。単位は無次元であり、通常は百分率(パーセント)を用いて表されます。
樹木は内部に取り込んだ水分によって養分や酸素が運ばれて成長します。この木の中の水分量を示す指標が「含水率」です。木材の含水率は、乾燥しきった木材の重さ(全乾重量)に対する水分量の割合で表します。木材全乾重量と同じ水分量を含んでいるときが含水率100パーセントです。
樹木が含んでいる水分量は樹種によってちがいます。
更に同じ木でも、辺材(木材の外側部)か心材(木材の中心部)かによっても異なります。また、生育環境や育った時期によっても変化します。樹木が伐採されて、木材として大気中に放置されると、表面から次第に水分が蒸発し、内部の水分が減少していきます。そして、時間がたつにつれて変化しなくなります。この状態の含水率を「平衡含水率」といいますが、日本では15パーセント、欧米では12パーセント程度といわれています。
平衡含水率は、まわりの空気の温度と相対湿度によって決まるため、地域、季節、時刻といった条件で変わってきます。平衡含水率より含水率の高い木材は水分を放出して収縮しますが、含水率の低い木材は水分を吸収して膨張します。こうして一定の平衡含水率に到達します。
木は、木材になっても、水分の放出や吸収によって、大気中の温度や湿度に応じた水分を含んだ状態になることから、室内の調湿に役立つといわれます。
一方で、含水率が変化することで、割れ、ねじれ、塗装の剥がれ等さまざまな症状も出てきます。木材を加工する場合には、含水率の影響を考慮することが製品の品質を握る鍵になります。
木材をうまく使っていくためには、水(水分)との関係を理解することが大切です。
※ 写真は木材の含水率を測定する高周波木材水分計
Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部