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カーボンプライシング(かーぼんぷらいしんぐ)とは

二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量に価格をつけて、課税・課金する仕組みです。温室効果ガスの排出対価を求めることで、温室効果ガス削減の取り組みを促します。

近年、異常気象による自然災害が頻発していますが、その原因とされるのが二酸化炭素(CO2)など、温室効果ガスの自然の許容範囲を超える放出です。

カーボンプライシングは、個人や企業の、社会・経済活動で放出される温室効果ガスに対して課税・課金することで、その排出量の削減、さらに温室効果ガス削減のための技術開発や投資を活発化させようとするものです。

具体の実施策としては、主に「排出枠取引」と「炭素税」があります。

排出枠取引」は、企業が事前に定められた排出量に対して、過不足を売買するものとなります。各企業の排出枠の上限は各国の政府が法律で定めるケースと企業が自主的に定めるケースがあります。

東京都では世界に先駆け、オフィスビルを対象として一定量以上の二酸化炭素CO2を排出する企業に削減の義務を課し、未達分を排出枠取引で補う『東京都キャップ&トレード制度』を2010年より実施しています。

「炭素税」は温室効果ガスの排出量に応じて課税する方法で、政府が化石燃料ごとに税率を決めています。削減努力が課税額に反映され、その取り組みのインセンティブになります。また、その税収は低炭素技術への投資など気候変動対策の財源となります。

こうして、カーボンプライシングは、カーボンすなわち炭素を吸収・固定する木材や森林に関連する材料や商品、サービスの価格を変化させます。

気候変動を促進して異常気象の原因となる大量の二酸化炭素の排出に対してコストの支払いを求めるカーボンプライシングで、炭素を吸収・固定する木材や森林の価値が見直され、林業・木材産業が付加価値・利益率の高い産業分野になることが期待されます。

参考文献:
経済産業省 長期地球温暖化対策プラットフォーム-報告書
東京都 総量削減義務と排出量取引制度(東京都キャップ&トレード制度)

Text: 小林 道和

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