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グライ化作用とは

水が長時間停滞するところや、地下水位が常に高いところで起こる、土壌生成作用の一つです。土が長時間水で満たされると土中の酸素が不足し、土に含まれる酸化状態の鉄(三価鉄:Fe3+)が二価鉄(Fe2+)に還元され、土層が二価鉄の色である青色を帯びる現象です。

日本では、グライ化作用を受けたグライ層は、地下水位が高く、その変動が少ない排水不良の沖積低地の水田に広く分布します。水稲栽培地の土壌はグライ性土の一種といえます。

山地では,斜面から平担地にかわる部分や、山頂・台地・平担地などの凹部の,地下水が停滞しやすいところで見られます。台地や丘陵地にも局地的に排水不良がおこりうるので、グライ化作用を受けた土壌は、広く点在すると考えられます。

グライ化作用を受けた土壌は、空気と水を通さない土層となるため、水は地下の水脈に抜けてゆくことができずに土中で滞ってしまい、呼吸できず、植物の根もなかなか進入できない硬い土になります。

グライ化した土壌を改善するには、その土層に空気と水を通していくことが効果的であり、横溝や縦穴の掘削、地下に水路を設ける工事等が行われています。

グライ化作用は、自然界では元来特別なことではありませんが、近年頻発している森林での自然災害との関連性が一部で指摘され、土中環境が改めて見直されています。

参考文献:
森林科学No.77 (2016年7月)

Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部
写真: 後藤史成

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