みなさん「海床ロボット」(うみどこロボット)ってご存知ですか?
「海床ロボット・コンソーシアム」が開発した、海や水面に“床”を浮かべ、自動で動いて離着岸する都市型自動運転船です。
小型船舶操縦免許が不要な、ミニボートの範囲(3メートル四方)におさめた船ですが、一般的な船のような前後はなく、ドローンのように四方へ動ける制御システムは、様々な使い方にカスタマイズできます。
応用として「レストラン船」「渡し舟船」「防災船」「ゴミ回収船」などの活用モデル展開を描き、自動運転船の社会実装は幅広い水辺活用ができるとして、さまざまな自治体から注目を集めています。
キノマチ的には「海床ロボット」の屋台部分が木造であることに注目。木は、軽量で扱いやすい建築資材です。また、デジタルファブリケーション技術を活用することでさまざまな用途に使用できます。
「海床ロボット」は、さまざまな水辺の賑わいをつくるべく、全国で実証実験をしています。
2022年、10月1日(土)、2日(日)に埼玉県越谷市のイオンレイクタウンで行われた地域密着型ウォーターサイドフェス「Lake and Peace 2022」では、水上を乗船移動するものと、カフェ仕様にアレンジしたものと、2種類の「海床ロボット」を出展しました。
そのうち、カフェ仕様の海床ロボットは、水上滞在する来場者に対して、水上屋台が移動しサービスを提供するものです。そのカフェUMIDOKOの上屋は、VUILDによるデジファブ技術を活用し、埼玉県小川町のセンティード工房にて、合板をカットし、現地で釘を使わずに組み立てする試みも。
また、10月17日(月)から一週間ほど、瀬戸内国際芸術祭を開催していた瀬戸内海・粟島では凪の海に浮かべる実証実験を行いました。観光客も乗せて、海床ロボットでアートと食を楽しむ試みも。
感想は「ひたすら乗り心地が良い」です!木材の肌触りの良さはもちろん、瀬戸内海の穏やかな波に揺蕩う海床ロボットは、波そのもの。瀬戸内海の良さをいちばん感じられる乗り物ではないかと。また、瀬戸内海は小さな島々が点在する海なので、島間を渡る交通手段としても可能性を感じました。
木材利用の可能性と、水辺利用のまちづくり。両サイドから注目すべきプロジェクトです。
今後は、東京都江東区の東陽町、大阪府の大阪城お堀など、日本中さまざまな水辺で実証実験を予定しています。
あなたの近くの水辺で「海床ロボット」を見かけましたら、その木材利用にも注目です。
海床(うみどこ)ロボット オフィシャルホームページ