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木質バイオマス発電とは

「木質バイオマス」と呼ばれる木質系の燃料を使って発電する仕組みのことです。

木質バイオマスとは(林野庁HPより引用)                                     「バイオマス」とは、生物資源(bio)の量(mass)を表す言葉であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」のことを呼びます。そのなかで、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。木質バイオマスには、主に、樹木の伐採や造材のときに発生した枝、葉などの林地残材、製材工場などから発生する樹皮やのこ屑などのほか、住宅の解体材や街路樹の剪定枝などの種類があります。

日本の木質バイオマス発電施設の多くでは、燃料となる木質バイオマスとして木を細かく裁断した木質チップや、おが粉などを固めた木質ペレットがつかわれています。

木質バイオマス発電の発電方式は、大きく蒸気タービン方式とガス化方式に分けられます。


蒸気タービン方式
・木質バイオマスを直接燃焼させて発生した高温高圧の蒸気でタービンを回して発電する方式
・発電効率は15%~30%程、小規模だと低効率。大規模だと高効率になるが、大量の木質バイオマスが必要
・大規模な発電施設に多く採用され、木質バイオマスを集める範囲は海外を含めて広範囲となることが多い
ガス化方
・木質バイオマスを蒸し焼きのように加熱して可燃性ガスを発生させ、ガスを燃料としてエンジンを運転、ジェネレータにより発電する方式
・発電効率は規模によらず30パーセント程と比較的高効率
・木質バイオマスの量に合わせて発電規模を選定することができる。小規模の場合は木質バイオマスを集める範囲は発電所の周辺地域が中心

木質バイオマス発電を持続可能な取組みにするためには次の2つが重要だと考えます


①活用されていない森林資源の有効活用
日本には豊富な森林資源があるにも関わらず、様々な理由から活かせていない地域が多くあります。森林資源の活用にあたっては、建材などとして長期間炭素を固定できる使い方に加えて、パルプの材料や燃料材など様々な用途で、“多段的”に“余すことなく”利用する、いわゆる木材のカスケード利用が求められています。木質バイオマス発電には、「未利用材」と呼ばれる木材が多く使われますが、多くは間伐などで伐り出した木材や、これまでは間伐後に森林内に放置されてきた木材であり、森林の活用と保全の両面から期待が高まっています。


②熱電併給によるエネルギー効率の向上
木質バイオマス発電では、発電による電気エネルギーに加えて、燃焼などの過程で多くの熱エネルギーがつくりだされます。この熱を回収して温水などにして、熱を多く使う温浴施設や食品工場など、木材の乾燥機などへ供給することができます。このような方式は熱電併給と呼ばれ、エネルギー効率を70~80%まで上げることができます。木質バイオマス発電の取組みではできるだけ熱も活用することが重要です。

日本では、森林蓄積量が年々増加していて木材の有効活用が求められていますが、世界的にみると森林資源は減少傾向です。

海外から安い木質バイオマスを輸入して発電につかうケースもみられますが、輸送に伴う炭素が排出されるだけでなく、材料調達は国際情勢に左右されます。木質バイオマス発電の取組みは、「小規模」「熱電併給」「地産地消」といったキーワードで地域に根差した仕組みにすることが重要です。

 参考:キノマチウェブ「木質バイオマス」関連記事

Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部

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