環境負荷の小さい新たな都市型耐火木造集合住宅のモデルケースを目指した、CLT壁式耐火木造と通風を促す「土間」が特徴の単身者用社宅『竹中工務店警固竹友寮』が完成しました。
「土間」のある木造の住まいで未来の環境につなぐ
このプロジェクトは、竹中工務店九州支店単身者用社宅として計画されました。1階にはFMセンターのサテライトオフィスとギャラリーを備えた、5階建てCLT+RCのハイブリッド耐火木造建築です。
持続可能な福岡の都市環境づくりのために、環境負荷の小さい都市型集合住宅の新たなモデルを目指しました。
建物のライフサイクルを通してCO2削減を実現するために、CLT耐火木造を採用し、建設時でのCO2削減と炭素の長期固定化を図ります。運用時の削減策として各住戸に通風を促す「土間」をつくることで、居住者が自然室温で快適に過ごせる期間を増やし、夏期の空調負荷を低減する計画としています。
地域に開かれたギャラリー・ワークスペース
1階は通りに面してFMセンターのサテライトオフィスと、木造木質の技術、そして『キノマチ®』をアピールするギャラリーを開設。内部はCLTを見せる意匠とし、力強く温かな木質空間となっています。
2~5階は、1フロアに5室、計20室の住戸を有しています。住戸の専有面積は28m2、そのうち土間(外部専有バルコニー)部分は6m2程度です。すべての住戸が土間のある角部屋で、通風が促されるように配置しています。土間のある住まいは、周囲の高層ビルやマンションと適度な距離を保ち、心地よい風や光を住まいに取り込みます。
室内は土間とつながり、屋内外が一体となるワンルームの形式です。自然通風を積極的に取り込み、小上りやカーテンによって自由に空間を変えられる開放的な住まいとしました。土間に面する2辺のCLT壁によって、杉の香りがほのかに漂う癒しの空間となっています。
また当プロジェクトでは、当社社員が福岡県糸島市雷山研修林で糸島林研クラブ主催の糸島林業塾2022「材を活用する1日」間伐体験会に参加し、切り出した木材を加工して1階ギャラリーに家具として設置しました。
「外」とのつながりを享受し、木の温もりを感じられる当施設が、環境負荷の小さい新たな都市型集合住宅のモデルとなり、地域に貢献し続けることを願います。
ニュースリリース:
燃エンウッド®CLT耐力壁を単身者向け社宅「警固竹友寮」に初適用
Text:竹中工務店 木造・木質建築推進本部