木とデザインの力で社会課題の解決を目指すモノ・コトに贈られる「ウッドデザイン賞」の募集が2023年6月よりスタートしました。ライフスタイルデザイン部門、ハートフルデザイン部門、ソーシャルデザイン部門の3部門にわかれ、木を活用したプロダクトやサービス、建築、研究など、多様な分野から顕彰されます。
「ウッドデザイン賞」とは
2015年に創設され、今年で9回目を迎える同賞。木を活かして社会課題を解決する活動を「ウッドデザイン」と定義し、わたしたちの暮らしや社会を豊かにするモノ・コトを消費者目線で評価する新しい顕彰制度です。“木のある暮らし”が普及・発展し、日々の生活や社会が彩られ、木材利用が進むことを目的としています。
木を使うことで社会が豊かになり、それと同時に木材利用が推進されることで経済的合理性を生み、さらに環境も良くなる。まさに三方良しを推進する賞といえます。
過去受賞作品について
これまで8年間で合計1,844作品が受賞し、同賞の普及により、木材利用の注目が集まっています。
例えば、2022年に最優秀賞のひとつ、国土交通大臣賞を受賞した「HULIC &New GINZA 8」は、竹中工務店が手がけた木造と鉄骨造のハイブリッド高層木造建築です。
柱や梁に、耐火集成材「燃エンウッド®」を使用し、日本で初めて高さ約60メートルの12層の木造架構を実現。その技術もさることながら、銀座通りという場所に位置し、福島県産の構造材を使って地方の森林とのつながりを体現した点や、木の機能や魅力を存分に引き出した空間設計が多くの人の目に触れるウッドデザインとして評価されました。
木が持つ本来の魅力と、高い技術やデザイン性が化学反応を起こし、業界の常識を覆す新たなムーブメントが次々と生まれています。そんなソーシャルウッドな取り組みを世間に発信する同賞。今年はどんな作品が集まるのかに期待が高まります。
募集要項
●期間
2023年6月20日~ 7月31日
●応募対象
建築・空間・建材・部材、木製品といった「製品」だけではなく、コミュニケーション、技術・研究といった「取組」も含め、木に関するあらゆるモノ・コト
●応募対象分野
建築・空間、技術・建材、プロダクツ、コミュニケーション、調査・研究
●応募分野・サブカテゴリー
・建築・空間分野/店舗・施設、住宅、木質化・リノベーション、屋外空間、新領域、その他
・技術・建材分野/技術、試作物、建材・部材、新領域、その他
・プロダクツ分野/生活領域、公共・事業領域、新領域、その他
・コミュニケーション分野/ビジネスモデル、パートナーシップ、広報・普及啓発活動、人材育成・人材確保、新領域、その他
・調査・研究分野 / 調査・研究、新領域、その他
●表彰部門
「ライフスタイルデザイン部門」~木を活かして質の高いライフ&ワークスタイルを提案しているものが対象~
「ハートフルデザイン部門」~木を活かして心身を健やかにしてWell-beingの実現が期待されるものが対象~
「ソーシャルデザイン部門」~木を活かして森林・林業や地域・社会の持続性を向上させているものが対象~
●ウッドデザイン賞の構成
第1次審査、第2次審査を通過した作品には「ウッドデザイン賞」が付与されます。ウッドデザイン賞受賞作品の中から、最終審査を経て、最優秀賞、優秀賞、奨励賞等が選出、表彰されます。
●受賞後の展開
入賞作品は「ウッドデザインマーク」を使用できるとともに、各種展示会への出展等により幅広くPRされます。
Text:岩井美穂(ココホレジャパン)