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2020.02.15
「森林は社会全体に役立つ公益性の高い資産」山主・三井物産フォレスト 菊地美佐子氏 〜The Flats Woods Kiba Story5〜

『The Flats Woods Kiba Story』は竹中工務店の木造建築『フラッツ ウッズ 木場』ができあがるまでを巡る物語です。

フラッツ ウッズ 木場』は、竹中工務店の木造建築技術を多く採用した次世代のコーポレートレジデンスです。都市に“人に優しい” 中高層木造建築を建てることで、木をめぐる社会問題を解決する足がかりとすることを目指しました。適材適所に木材を使うハイブリッド構造は新時代の木造建築。木という自然の素材を使うことからはじまる、工夫と技術と思いを巡るストーリーをご紹介します。

三井物産フォレスト 代表取締役社長 
菊地美佐子 MIsako Kikuchi
千葉県出身。1984年三井物産入社。2001年同社広報部編集制作室長、2006年CSR推進部コーポレートブランド戦略室長、2009年CSR推進部地球環境室長、2015年環境・社会貢献部長を経て、2018年10月より現職。三井物産フォレストHP
 

『三井物産の森』は大切な資産と、いい切れる理由

三井物産フォレストは、三井物産が全国74か所に約44,000 ヘクタール保有する『三井物産の森』を管理する会社です。

総合商社である三井物産がなぜ民間企業で4 番目の山持ちなのかといえば、その昔、木材は国内外に向けた優秀な商材だったからです。そして今も、森を公益的価値、経済的価値を持っている資産であると位置づけています。

私は三井物産の環境・社会貢献部長として社有林に関わり、2018 年より三井物産フォレストの社長として陣頭指揮を取っています。

持続可能な森林経営とは、環境・経済・社会の両立

持続可能な森林経営のキーワードは“ 環境”、“ 経済”、“ 社会” の3 つです。この3 つが成り立たないとサステナブルとは呼べません。

三井物産は全ての『三井物産の森』を対象に、責任ある森林管理が実施されていることを第三者が証する2 つの国際森林認証である、FSC®森林認証(FSC®C057355)とSGEC / PEFC認証を取得しています。

これらの森林認証において重要とされるのが、環境、経済、社会、全ての面でバランスのよい森林経営がなされているかという点です。『三井物産の森』では林業を通じて積極的・多面的に森林を利活用しています。

現在の日本国内の木材の商流は、伐った木は丸太としてどこかで誰かが買い、何かに使う、というプロダクトアウトが主流となっています。我々が伐り、搬出した木がその先どう使われるのかをあまり意識していなかった気がします。森から丸太で納めるのみ。

それをすごく意識させられたのが、木材を建築関係や木質バイオマス発電などの利用を促進する動きを目の当たりにしたときです。伐った木がどのように使われているのかきちんと意識した森づくりをしっかり進めようと思いました。

『三井物産の森』は全国74か所、44,400ヘクタールの森を各々の特徴に沿って区分し管理(ゾーニング)。人工林約40%、天然林および天然生林約60%。木材は年間5〜6万立方メートルの木材を供給している。

今回の竹中工務店との取り組みはまさにその第一歩です。竹中工務店の「こんな木造建築をつくりたい」という希望に対して、当社は北海道のカラマツを提供させていただきました。

用途が明確になったところに対して、それに適した木を伐りましょうというマーケットインの考え方で木材を供給させていただいたのは新鮮でした。

木は一人前になるのに何十年とかかりますので、森林管理者が長い年月をかけて育てた木ですよ、と手渡すことで物語が生まれます。

いま搬出される木も30 年から50 年前に植えられたもの。未来予想図を描くことが難しい産業ですが、人の知恵を備えることで木の用途はずっと広がっていくと期待します。

text:アサイアサミ photo:福岡秀敏

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