
キノマチ大会議、念願のリアル開催が決定。
コロナ禍では、画面越しにしか会えなかった森林を巡るステークホルダー。それぞれの土地・立場から語り合い、つながりを保ちながら未来のキノマチの姿を思い描いてきました。
そして今年。ようやく、森林にダイブし、同じ空気を吸って語り合えるときがやってきます。
これまでオンラインでは交わらなかった視点や感性が、この晩秋、木曽で触れ合い、地域も業界も越えて、森の価値や可能性を探る3日間になりそうです。
いま、なぜ「木曽の森」なのか

木曽の廃校を舞台に、小径木から合板をつくる「シンゴーハン」(仮称)が動き出しました。小径木に経済価値を生み出すことによって森林管理の利益を森に還元する「森林グランドサイクル」。この経済循環が回り始めた今、私たちはもう一つの問いに向き合っています。
「経済循環だけで、森とまちの持続可能な関係はつくれるのだろうか?」
森を起点にしたモノづくりの価値、林業とコミュニティの関係、山に宿る精神性、地域資源を使った建築のあり方。経済効率だけでは語れない、多様なつながりが、木曽や伊那に生まれています。
そうしたつながりの実践者たちを訪ね歩くフィールドワークが中心。やまとわ、柳沢林業、山本円郁さん、そして合板工場の現場となった旧楢川中学校まで。川上から川下までのステークホルダーが集まり、森林グランドサイクルを多面的に捉え直す3日間です。
今回の大会議は、ステークホルダーが集う場に。そこで生まれた議論や気づきは、キノマチウェブやインスタグラムを通じて皆さんと共有していきます。
「キノマチ大会議」とは

「キノマチ大会議」は、「キノマチプロジェクト*」が主催するカンファレンスです。「木のまち」をつくる全国の仲間を集め、知恵を共有し合い、未来のためのアイデアを生み出すイベントです。
これまでオンラインで開催してきた大会議ですが、6年目となる今回は、ついに念願のリアル開催。森とまちをつなぐステークホルダーたちが、木曽の森林という現場に集い、身体を動かしながら対話を重ねます。
*「キノマチプロジェクト」:まちと森がいかしあう関係が成立した地域社会「キノマチ」を実現するために、まちづくり・森づくりのプレイヤーたちが共に学び、共に行動を起こしていく活動体です。業界や専門分野を越えて多くのステークホルダーが集うことで、木や森をめぐる社会問題を解決することを目指しています。竹中工務店、Deep Japan Lab、ココホレジャパン、グリーンズによる四社共同で2019年6月から運営しています。
今年のメインテーマ:森林グランドサイクルのB面を探るってなに?

今回の舞台となるのは、木曽地域で始動しているプロジェクト「シンゴーハン」(仮称)のフィールド。
小径木に新たな価値を見いだし、森と都市をつなぐ合板工場を廃校に設立。森林資源が都市で活用されることで経済が回り、その利益が再び森に還元されて健全な森林管理につながる「森林グランドサイクル」を実践する革新的な取り組みです。
しかし、持続可能な森とまちの関係をつくるには、経済循環だけでは語れない、いくつもの側面があるはずです。
伊那市では森を起点にモノづくりをする「やまとわ」、塩尻市ではコミュニティの交点となるスナバにて柳沢林業さんのお話を伺います。
奈良井では山に宿る精神性とデザインの関係性を「山本円郁さん」と「林千晶さん」の対談からヒントをいただき、終着点である旧楢川中では、シンゴーハンで取り組むビジョンの共有。木や土などの地域資源を使った建築の可能性を「澤秀俊さん」と語るセッションを予定しています。
さらにオプションツアーでは、御嶽山や日野百草本舗を巡り、山と人の関わりの深層に触れます。
森林グランドサイクルの「表」の面である経済循環に対して、精神性、コミュニティ、文化、そして森との関わりかたの多様性。そんな経済循環と背中合わせである「B面」の価値を探る3日間です。

「キノマチ大会議 2025」概要
日程:2025年11月20日(木)〜 21日(金)オプションツアー:11月22日(土)
会場:長野県伊那市、塩尻市、木曽郡木曽町
形式:フィールドワーク&対話セッション
主催:キノマチプロジェクト
株式会社竹中工務店・一般社団法人Deep Japan Lab・NPO法人グリーンズ・ココホレジャパン株式会社
プログラム:
DAY1|森からはじまるものづくり
伊那の森を舞台に、木をいかした仕事の現場を訪ね歩く一日。
やまとわや有賀製材所で、森を起点にしたモノづくりの価値を考え、夕方はスナバで林業の新しい可能性を語り合います。
DAY2|山の精神と木の建築
奈良井のまちで、山に宿る精神性や木の建築の未来を探る日。寺での対話や焚火セッションを通して、自然と人の関係を見つめ直し、夜は焚火とともに語り合う交流の時間へ。
DAY3|山と人の深い関わりを体感
御嶽山や御嶽(おんたけ)神社を訪ね、山の信仰と暮らしのつながりをたどるオプションツアー。森羅万象と人の営みが重なり合う時間です。
参加について:
参加者を若干名募集します。参加多数の場合は抽選となります。参加をご希望の方は、問合せフォームへご連絡ください。当選者には11月18日(火)に集合場所等の詳細情報をお伝えします。
参加費:
DAY1-2 通し参加チケット ¥20,000
DAY1 or DAY2 1日参加チケット ¥12,000
DAY3 オプションツアー参加チケット ¥ 5,000
※現地でのバス移動や食事代は費用に含まれます
服装 / 持物:
・フィールドワークに適した服装でお越しください
・運動靴など動きやすい靴でお越しください
・気温変化が激しいので多めの着替えをお願いします
・飲み物や雨具は各自持参ください
今後の情報共有について:
今回のキノマチ大会議で、フィールドワークで得られた気づきや対話から生まれたアイデアは、キノマチウェブやインスタグラムを通じて広く共有していきます。
ハッシュタグ「#キノマチ大会議2025」で、私たちの旅を追いかけてください。








