木場(きば)とは
木材の集散に便利な地点に設けられた貯木場を中心とした木材問屋のまちのこと。
古くから、山から切り出した木材は、河川を利用して運搬していました。
このとき、陸上には荷揚げせず、水上に浮かべて保管していた場所を木場と呼びました。河川上流部に良材産地をもつ河川の河口部、たとえば米代川の能代、熊野川の新宮、吉野川の和歌山などに、木場が設けられてきました。
木材需要が急増する江戸初期以降は、大消費地の近くの船輸送のできる河口部などにも木場が設けられるように。
こうした木場での木材取引が盛んになるにつれ、木材業者が木場の周辺に定着し、また材木屋の集合した地域も木場と呼ばれるようになりました。。江戸の深川、尾張の白鳥、大坂の立売堀などが、日本の代表的な木場となります。
かつて木場が置かれた場所は、そのまま日本各地の地名、または姓にもなっています。 東京江東区の木場は、江戸時代より最近まで材木の貯木池や問屋が集中し、「角乗り」「木遣り」などの伝統芸能が残り、水を利用した他の産業とともに独特の風土・文化を生み出しました。
参照文献:日本大百科全書
Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部