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2022.12.16
建物と燃料とエネルギーの地産地消を叶えた愛媛県の「内子龍王バイオマス発電所」が稼働開始!

みなさんは、木質バイオマス発電と聞くとどんなイメージをお持ちでしょうか?                     

森林資源豊かな愛媛県内子町で、木材とバイオマスの地産地消を目指してつくられた発電所を紹介します。

内子町を一望する小高い丘にある龍王公園に隣接した内子龍王バイオマス発電所が2022年10月13日に稼働を開始しました。事業主体は内藤鋼業、サイプレス・スナダヤ、竹中工務店、三洋貿易、大日本コンサルタントの5社からなる「株式会社内子龍王バイオマスエネルギー」です。

内子龍王バイオマス発電所外観

内子龍王バイオマス発電所の特徴は、おおきく分けて次の3つです。  
・内子町内での間伐による未利用材のみを活用した小規模発電所                         
・発電時に発生する温水を、隣接する温浴施設とフィットネスクラブの熱源として供給  
・内子町など地元産材をCLT(直交集成板)等として活用した木造建屋                            

発電の仕組みは、まず木を粉砕して固めて作られた「木質ペレット」と呼ばれる固形燃料を高温で(燃やすのではなく)熱して可燃性ガスを生成します。続いて生成された可燃性ガスを燃料としてエンジンを回して電力と熱をつくります。

発電の仕組み

発電された年間およそ250万キロワット(一般家庭約560世帯分の相当)の電気は再生可能エネルギーとして電力会社に売電されます。

発電だけでなく、そこで発生する熱も温水として利用するのですが、このような発電形態のことを「熱電併給」といい、全国的にみても珍しい取組みです。一般的には捨てることが多い熱を活用することが高いエネルギー利用効率に繋がります。

内子龍王バイオマス発電所は、建屋につかう木材、燃料の木質ペレット、発電による熱などすべて地産地消です。運営や熱利用も地元企業が担っており、地域に根差した持続可能な発電所のモデルケースとなることを目指しています。

建屋の構造材は地元産スギのCLTや集成材

ニュースリリース:
愛媛県内子町における「内子龍王バイオマス発電所」が稼働開始

内子龍王バイオマス発電所の温水供給先::
オーベルジュ内子(日帰り入浴も可能)  
フィットネスクラブRyuow(リュウオウ)

内子町公式観光サイト:
内子さんぽ                                      

Text:竹中工務店

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