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2022.11.27
【J】事業承継

事業承継とは

会社の経営権や事業の運営を後継者に引き継ぐこと。少子高齢化と同時に担い手不足が進んでいることを受けて、円滑な事業承継が求められています。

事業承継のタイプは、親から子または親族に継がせる「親族内承継」のほか、近年では、社員に継がせる「社内承継」や、外部の人材に継がせる「第三者承継」も増えつつあります。

林業界においては、森林施業や素材生産などを行う林業経営体のうち、民間事業体は主伐の中心的な担い手で、地域の森林管理に大きな役割を果たしています。

農林業センサスによると、林業経営体における民間事業体の数は2005年には3,238経営体でしたが、2020年には1,994経営体と減少しています。民間事業体には中小事業者が多く、安定的に事業を継続するためには後継者の確保と事業承継が必要だといわれています。

民間事業体における事業承継の事例をふたつ紹介します。

ひとつめは、親族内承継により事業を拡大した高知県仁淀川町の株式会社明神林業

高知県内で大工として働いていた現社長のUターンとともに、森林の取得、従業員の雇用、森林の取得、法人化に着手しました。

その後、所有山林に路網を開設し、従業員が効率的な伐倒作業を行うことができるように工夫。また、これまで県外に出荷していた丸太の販路を地域で確保するため、町内の7つの林業経営体と協同組合を設立し、森林所有者への収益の還元を目指して取り組んでいます。

ふたつめは、創業者から女性従業員に事業承継された長野県松本市の株式会社柳沢林業

これまで行ってきた木材生産の事業は引き継ぎながら、里山での地域イベント開催、指定管理者としてのキャンプ場運営、地域材を生かした木製品の製造販売など、多岐にわたる森林サービス事業を展開。そのほかにも、従業員の能力評価システムづくり等により、企業理念の共有・徹底が図られるよう取り組んでいます。

事業承継による経営者の代替わりは、しばしば新たな取り組みや事業拡大のきっかけになります。今後さらに少子高齢化が進むことを見据えて、早い段階から事業承継や担い手の確保について考えるとともに、承継を望む側と受ける側を結びつけるマッチングなどの交流基盤づくりも急務になっていると思います。

出典 : 
林野庁:平成30年森林・林業白書/第1部 第1章 第2節 林業経営体の動向(3)
林野庁:令和3年度森林・林業白書/第Ⅱ章 林業と山村(中山間地域) 1.林業の動向(2)

Text: ココホレジャパン

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