「カラマツ」「カラマツ材」とは
日本で生育するマツのなかで唯一の落葉針葉樹。名前も、冬に葉が「空(カラ)」になることから「カラマツ」と呼ばれているなど諸説もあります。一般的に土木資材、建材、パルプ、梱包材などに使われます。
マツといえば、庭木のクロマツなどのイメージで針のような葉を思い浮かべますが、カラマツの葉は線形で先端は尖っておらず、やわらかで束状になっているのが特徴です。
高い強度で、寒さにも強い材
カラマツは寒冷地に強い性質を持ち、カラマツの搬出量日本一は北海道です。産地は北海道、東北地方、長野県など。太平洋戦争後の拡大造林の際に植えられたものが多く、現在伐採適齢を迎えているカラマツが日本の森に多くあります。
材質は、固くて丈夫。年輪の詰まった天然カラマツは「テンカラ」と呼ばれ、神社仏閣をはじめ名建築を支える構造材として重用されてきました。
反面、ヤニが多い、狂いが出やすい、割れやすいなどの性質があるため、「扱いが難しい材」として、用途が限られてきた時代が長らく続きましたが、現在は技術の進歩により、集成材(燃エンウッド®など)や合板など、加工して使え、その「強さ」が見直されています。
価格の下落が続く国産木材ですが、原木価格が上昇傾向にあるカラマツは林業に活況をもたらす存在です。