青森ヒバの魅力を未来に残す担い手を募集
継いでほしい仕事と次世代の担い手をつなぐ「ニホン継業バンク」を通じて、青森県風間浦村が青森ヒバの担い手の募集をしています。
国土面積の約7割が森林に覆われる日本。わたしたちの身近にある森林ですが、近年では林業の担い手不足が深刻化していることはキノマチウェブでも頻繁にお伝えしています。(AtoZ:担い手不足)
青森県下北半島にある風間浦村でも、製材業の担い手不足に直面しています。
日本三大美林のひとつに数えられるヒバ。風間浦村にはかつて、村のいたるところに青森ヒバを加工する製材所がありました。しかし、長年の、外国から輸入される安価な木材の流通などが理由で、国内産木材の需要が低下。同時に、製材所も今では3軒しか残っていません。
このままでは風間浦村のヒバ産業がなくなってしまう恐れがあります。そこで今回は、青森ヒバを専門に取り扱う「村口産業」で働きながら、かつて地域の一大産業であったヒバ産業を担い、地域おこし協力隊として盛り上げてくれるひとを募集します。
村口産業は、「世界にひとつだけのものづくり」をモットーに木の魅力を生かした木工商品を次々に開発し、青森ヒバの魅力を広めようとネット販売にも力を入れるユニークな製材所です。ヒバ愛あふれる代表・村口要太郎さんのもとでものづくり技術を学び、風間浦村のヒバ産業を盛り上げたいという方からの応募を待っています。
興味を持たれたかたは、地域ぐるみで継業に取り組むためのプラットフォームサイト「ニホン継業バンク」を通じて応募が可能です。
「ニホン継業バンク」では、地域のプレイヤーである自治体や商工会に利用料を負担してもらうことで、地方地域で長く育まれてきた個人で営む小さな仕事や、お金では価値を付けることが難しい伝統技術などを残すためのサポートを行っています。一般的な「M&A」とは異なり、仲介手数料も成約報酬も必要ありません。
風間浦村の青森ヒバもニホンに残していきたい産業のひとつ。森林サイクルの川中である製材業が盛り上がることで、川上・川下の活性化にもつながります。青森ヒバの担い手募集に興味がある方は、ぜひ「ニホン継業バンク」をご覧ください。
Text:岩井美穂(ココホレジャパン)
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