造作(ぞうさく)とは
建物内部の建材のうち構造部材を除く、仕上げ材、取付物の総称。例えば天井、床、鴨居・敷居などといった部分のほか、家具や戸棚、階段もそれにあたります。
造作は、建物の表にみえる部分で、住まいの中では、人の目や肌に触れる場所にあり、使い勝手や建築空間としての質を大きく左右する重要な部分といえます。
造作の素材は針葉樹(マツやスギなど)が中心です。針葉樹は柔らかい分空気を多く含み暖かみがあり、肌触りもよいというメリットもありますが、傷がつきやすいというデメリットもあります。人の身近なものだけに、実際に見て触って、選択することが重要です。
造作は、かつては精巧細密な仕上げ工事で、大工の腕の見せ所でした。木材は生きた材料なので、材料の特性(伸縮・堅さ・木目等)を見極めたうえで適材適所で使用します。加工や組み立てには木材に関する豊富な知識と経験による高い技術が必要になります。日本建築独自の「あたたかみ」を表現できるのは、造作大工の知識と技術があってこそだと言えるでしょう。
Text: 竹中工務店 木造・木質建築推進本部 Photo:T.HAHAKURA